介護職の物語②|“空気の変化”が教えてくれる、心と身体のサイン
介護の現場にいると、ときどき説明できない“予感”に助けられることがある。
それは決して不思議な話ではなく、毎日、人の命と向き合い続けている介護職だからこそ気づける感覚なのだと思う。
今日は、その小さなサインが、私を救ってくれた。
◆ フロアに漂ういつもと違う「静けさ」
朝の申し送りが終わり、フロアの見回りをした瞬間、
どこか“静かすぎる”と感じた。
テレビの音、利用者さまの会話、スタッフの動き。
全部があるのに、なぜか空気は張り詰めている。
介護職の人なら分かってもらえると思う。
こういう日は「何か起きる前触れ」がある。
案の定、しばらくして、普段落ち着いている利用者さまが不安定になり、
複数のコールが重なる瞬間があった。
でも不思議と、心はそこまで乱れなかった。
なぜかというと、
“そうなる気がしていた”から。
◆ 介護職あるある:段取りよりも「流れ」を読む日
介護の仕事は、段取りと臨機応変のバランスが命。
とくに、予期せぬ事が起きた日は
- 予定していた記録の入力が遅れる
- 移乗介助の時間が長くなる
- 同僚との声かけが多くなる
こういう“あるある”が重なる。
でも今日は、どこか流れがスムーズだった。
なぜかというと、
「焦らず、流れに乗る」ことを意識できていたから。
言霊やマインドフルネスを続けていると、
“慌てたほうが失敗する”タイミングが自然と分かってくる。
◆ スピリチュアルでもなんでもなく「感覚が研ぎ澄まされる」
私は、見えない世界やエネルギーを信じすぎるタイプではないけれど、
介護の現場にいるとどうしても気づく。
「心を整えている時期は、職場でもトラブルに巻き込まれにくい」
これは本当に実感している。
ふと胸の中に湧いた小さな声。
「今日は無理しすぎないように」
その声を信じたおかげで、焦らずに動けた。
結果的に、利用者さまに優しい言葉をかけられる余裕さえ生まれた。
◆ 現場の“空気”は、自分の心の状態を映す鏡
ナースコールが鳴り止まない日でも、
自分の心が静ければ、不思議と混乱せずに済む。
逆に、心が荒れている日は
些細なことでもイライラが表に出てしまう。
だから今日も、心の中でひとつだけ唱えた。
「落ち着いて、一つずつ大切に」
それだけで、不思議と心にスペースができた。
◆ 帰り道の気づき:今日を振り返る優しい時間
車のライトが道を照らす帰り道。
今日を振り返ると、小さな“整い”がいくつもあった。
- 焦らずに動けた
- 利用者さまに余裕を持って関われた
- 自分の心の状態を理解できた
介護は決して楽な仕事ではない。
でも、目に見えない感覚を大切にすると
「余白」が生まれ、その余白が優しさを運んでくれる。
◆ 今日の一言(心がやわらぐポエム)
人の心は風のよう。
時に荒れ、時にやさしく吹き抜ける。
その風を感じながら生きると、
世界は少しやわらかくなる。
明日も、必要な言葉が必要な人に届きますように。
