夜勤の静けさと心のざわめき——“見えない疲れ”との付き合い方
今日のお話は、介護職なら必ず味わう「夜勤の独特な空気」について。
静けさの中にある緊張感、終わらない巡回、そしてふと訪れる心のざわめき。
そんな夜に私が実践している“小さな整え方”を綴ります。
◆ 夜勤は「静けさ」と「緊張」が同居する不思議な時間
消灯後、フロアが静かになると同時に、妙に耳が研ぎ澄まされる。
ナースコールの音が少し大きく聞こえるし、誰かの寝返りの気配にも敏感になる。
介護職あるあるだが、
「静けさ=楽」ではなく、「静けさ=気が抜けない」 のが本音だろう。
巡回のたびに姿勢や呼吸の確認をし、
「大丈夫かな」「さっきより落ち着いてるかな」と小さな変化に注意を向ける。
◆ しかし心の中では“別の疲れ”が溜まっていく
身体より先に疲れるのが、実は“思考”だ。
先のことを予測し、もしもを考え、一晩ずっと緊張状態が続く。
特に早朝4時の巡回。
あの時間帯は不思議と眠気より心の空白が押し寄せる。
——「あと何時間で朝が来る」
——「今日の申し送りで抜けがないだろうか」
——「明けで帰ったら寝られるかな」
頭の中で未来が渋滞しはじめるのも、この時間帯の“あるある”だ。
◆ 私が夜勤で実践している“小さな整え方”
大げさな瞑想や、目を閉じる余裕がないときでもできる方法。
- 巡回の合間に、自分の足裏に意識を戻す
- 手すりや壁に触れた瞬間、「今ここにいる」と1回唱える
- 深呼吸じゃなくてもいい、“少し長めの息”だけ意識する
これだけで、心のざわつきが少しずつ落ち着いていく。
スピリチュアルと言えばそうかもしれないが、やっていることはとても現実的だ。
◆ 夜勤明けの“あの解放感”と同時にやってくる現実
朝の申し送りが終わった瞬間の解放感は、夜勤職員だけが知る特別なもの。
しかし同時に、身体はフラフラで、家に着く頃には電池が切れかけている。
そこで私は、玄関に入った瞬間に一つだけ習慣を置いている。
「今日も一晩、誰も大きな変化なく過ごせた」
この事実だけを丁寧に思い出す。
これをやると、夜勤の緊張の中でも確かに自分が“支えになれた時間”があると感じられる。
◆ 夜勤は、ただのシフトではなく“役割”だ
深夜のフロアを守るのは、静寂の中を歩く私たちだ。
利用者さんが安心して眠れるように見守る役割を担っている。
夜勤はつらい、しんどい、それでも続けているのは
「誰かが安心できる夜を作れている」という確かな理由があるからだろう。
◆ 今日の一言(心がほどけるポエム)
静かな夜に、あなたの足音だけが響いていた。
その一歩一歩が、誰かの眠りを守っていた。
朝日が昇る頃、どうか自分にも優しい光を。
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